仕事柄,さまざまな紛争や交渉に関わり,その顛末をみとどけます。また,事業の展開等についてもいろいろなケースを見てきています。
そのような中で,よく経験するのは以下のようなことです。
「大欲」,(大きな目標といっても良いです)を掲げてそれを目指すことは非常に良い結果をもたらす場合が多いです。それに対し,「小欲」,せこい利益取りを目指したり,小さな点にこだわる場合は,まずい結果になる場合が多いです。
例えば,難しい和解交渉でお金も全然取れなそうな状況だったとします。そこで,知恵を絞って,2億円を勝ち取れる状況になったとしましょう。これは,「大欲」を持ち張った結果が産んだものです。あるいは,自分が1億円払わざるを得ない状況で,1000万円まで減らしたというのも同じです。
ところが前者の場合でいえば,あと100万円などと欲張って,話しを壊す場合があります。後者の場合も,1億円払うところが9000万円減ったのですから万々歳なはずですが,あと50万円減らそうととか細かい条件をつけて,話しを壊しもとの木阿弥で1億円払わざるを得なくなることもあります。
人はえてして,大欲はもたないのに,小欲をもちがちです。人間心理からするとありがちなことではありますが,注意したいものです。