私は,顧問弁護士として,また委任を受けて,様々な交渉を多く行っています。今回は,交渉の中で経験してきた,特に日本人にありがちなよろしくない交渉姿勢について書きたいと思います。
最大の問題点は,交渉決裂を必要以上に怖れる,主張すべき事を主張しないということです。その際の心理状態は,「事を荒立てたくない。」「相手方を怒らせたくない。」というものです。そして,「まあ,良い交渉ができた。」「相手方もこちらが譲ったことを分かってくれている」「ここで譲っておけば,次のときに譲ってもらえる。」などと合理化します。
たしかに,そのような場合もないとはいいません。しかし,たいていの場合,「恩返し」されることはないです。むしろ,次から次へと要求を繰り出されてしまいます。必要な主張をしたことにより壊れてしまうような関係なら早く壊す方がいいですし,企業としてはその時点その時点での利益を徹底的に追求するのが大事です。
交渉における負け癖は尾を引きます。
交渉は徹底的にやり,まとまったら交渉経緯はお互い忘れて仲良くというのが大事です。頑張って交渉していきましょう。