祇園精舎の鐘の声

いわずと知れた平家物語の出だしです。「盛者必衰の理」「たけき者も遂には滅びぬ。」は不滅の真理です。我々はこのような実例は無限に見ていますし,逆に,この真理に反した者や会社は見つかりません。そもそも人はいつか必ず死にます。

重要なのは,そこでどう考えるかです。むなしいといって虚無的に生きるのか,それともあえて,「盛者」「たけき者」を目指すのか。

私は,この真理をわかった上で,後者を目指すのが人生を楽しみ,充実するのにベストかと思ってやっています。

死ぬときに,悔いなく,「あー楽しかった。」と言って死ねるよう頑張っています。

経営の目標は長期におくべきか,短期におくべきか

企業経営にあたって,よく長期的利益が大事であると言われます。同じ文脈で,アメリカの経営者は短期的利益しか考えないと批判的に評価されたりもします。

本当にそうでしょうか。この問題に一つの正解はないでしょうが,私は,短期の利益の積み重ねが結果的に長期の利益・発展につながると考えて経営にあたっています。

小さな会社で赤字を出し続けるような贅沢は許されません。

経営は厳しく長い道です。最初から,42.195キロを走りきろうと思ったら凡人には難しいです。「とりあえず次の電柱まで走ろう。」の繰り返しで,気付いたら42.195キロ走っていたというのが良いのではないでしょうか。

「長い目で見てほしい。」などといって,周囲や自分を誤魔化していないでしょうか。

「今日だけはがんばろう」の繰り返しでやっています。

恋愛も営業も,ウエィティングリストの1番手になる

取引をしていただきたいお客様がいるが,現在のところ同業者が取引をしているとしましょう。恋愛でいえば,つきあいたい異性がいるがすでに彼氏・彼女がいるような状況です。そんなとき,すでにつきあっている人に対し,自分がいかに素晴らしいかを訴えたり,今つきあっている人をけなしたりしても,それでつきあい始められる可能性は0でしょう。それどころか,永遠につきあうことの道は閉ざされてしまうでしょう。しかし,恋愛も営業も,このような状況であたって砕けろとばかりにチャレンジして玉砕する人はたくさんいます。

そんなとき,そのように無理に告白せずに,まずは相手の意識の中に置いてもらう,そして,例えば,ちょっとヒマなときにお茶をしたり食事をしたり,相談にのってあげるような関係となっておけばどうでしょうか。目的の人が,相手方と別れたり,ちょととうまくいかなくなったとき等に,食事等をともにしてつきあいがはじまる可能性はかなり高井のではないでしょうか。少なくとも,だめもとで告白するよりも全然よいはずです。

営業でも,無理押ししないで,しっかりとウエィティングリストの1番手に自分を乗せておいて,その後チャンス(かなりの確率できます)で現在の同業者と取って代わることが可能となります。

長い目でみて慎重に下準備をして機を逃さないようにしていけば営業もうまくいくと考えています。

心技体にも優劣がある

「心技体」という言葉のなかで,心・技・体が同列に扱われたり,ときに,心→技→体の順番で大事だと言われたりもします。
私は,勝つための第一の条件は,体だと確信しています。いくら,心や技があっても,その人の体以上のことは物理的に絶対にできません。
企業経営も同じで,その企業の,人,設備,金などの「体」の部分がなければ,それ以上のことは絶対できません。
誤った精神論・根性論に振り回されずに,合理的に経営をしていきたいものです。

 

買う側も売る側ももっともっと主張しませんか

わが国では,国民性からか,買う側はあまり売る側に注文をつけず,売る側の商品やサービスを受け入れます。他方,売る側は,お客様から直接言われなくても,お客様の望んでいることを察して,いろいろとするのが「おもてなしの心」「すごいサービス。」と言われてもてはやされています。

でも,何だか不合理だし無駄じゃないでしょうか。買い手側は,何も言わない代わりに,不満があれば,一人で鬱々としたり,よそで悪口を言いふらしたり,黙って次から利用しなくなったりします。でも,きちんと主張してもらえば,売り手側もできることはするでしょうし(往々にして双方の行き違いということもあり話せば誤解がとけることもあります),できないことはきちんと理由をつけて説明するでしょう。買い手側も納得できるんじゃないでしょうか。売り手側だって,買い手側が何も言ってくれなければ不満があるのか否かがわからないし,言ってもらった方が良いに決まってます。また,買い手を満足させるために,過剰なまでに想像で気を遣ってサービスをして,全然,買い手が欲していない余計な労力を使うことは不要となりますし,買い手が欲していることに力を注げます。

本当に「気を遣う」のはいうべきことはきちっと言うことじゃないでしょうか。私は,自分が買い手のときは,嫌な思いをするかもしれないけれど言うべきことは言うように心がけていますし,お客様からはどんどん注文を出して欲しいと思っています。その方は,絶対,両者の関係は良くなります。正しい,自己主張は,喧嘩をすることとはちがうのであり,コミュニケーションなのです。本当の気配りは,我慢することでなく,きちんと主張することではないでしょうか。

第二次世界大戦中が始まったとき,チャーチルは「日本がこんなに強いなら,もっと,戦争になる前にいろいろと主張してくれていれば良かった。」と言ったそうですが,本当にそのとおりで,きちっと主張したら歴史は変わっていたかも知れません。耐えに耐えて,最後にキレるといのは日本人のお家芸ですが,政治・外交・商売・スポーツ等あらゆる場面で,いい加減このような行動パターンは早くやめ,こまめに主張していくようにした方が良いと考えます。

飛行機か新幹線か

国内出張の際,飛行機で行くか新幹線で行くか微妙な場所があります。東京からだと大阪から福岡の間くらい,長崎からだと大阪あたりまででしょうか。どちらを利用するか気にしない人もいますが,結構,好みが分かれるようです。テニスプレーヤーの伊達公子さんは断然新幹線派であり空港で待つのがとにかく嫌と言われていました。

私は,断然,飛行機派です。新幹線に比べて圧倒的に静かなのが良いです。機内放送も車内放送より全然少ないですし,機内で移動する人も少ない,何より携帯の着信がなったり話す人がいません。新幹線車内での騒音ではいつも不愉快な思いをしたことは多数有ります。他方,飛行機ではゆっくり休めますし,飛行機の中で,思いついたアイディアも多数有ります。あとは,機内WIFIが一般的にもっと普及してほしいと思います。余談ですが,マネックス証券の松本大さんが機内では必ず耳栓を使うとブログで書かれており,私もそうしたところ非常に快適で疲れも減ったような気がします。

本日は,ただの雑談でした。

W杯を見て

日本代表応援していましたが,残念でした。私なりの雑感をいくつか書きます。

・ 2006年ドイツと2014年ブラジルは結果のみならず,「感じ」もよく似ていると言われているし,私もそう思います。決勝トーナメントに進出したときの監督は,トルシェ監督と岡田監督,進出できなかったときの監督はジーコ監督とザッケローニ監督。選手の自主性とか創造性とか言うのと「規律」を前面に出すのかということでそれぞれ似ている気がしました。

・ 「守備的に闘っても何も残らない。」と一部選手が戦前に言ってました。たしかに,それで負ければそうかもしれません。しかし,勝ち抜いていけば,「結果」が残ります。そして,勝負事は「勝つことによりより強くなる。」「負けることによりより弱くなる。」ものです。「勝つ」という結果はとてつもなく重要なことであり,それを取りに行くのがプライオリティではないでしょうか。

・  日本代表は,アジア予選をまた勝ち抜いて,4年後にようやく再チャレンジができます。年齢的に,ピークを過ぎてしまう選手もいるでしょう。次回はでられない選手もいるでしょう。しかし,ビジネスでは,失敗してもすぐに再トライできます。何度も何度も成功するまでトライできます。経営者はせっかく恵まれているのですから,チャレンジを続けるべきとつくづく思いました。

仕事とスピード

仕事において,スピードが重要であることはいうまでもありません。楽天の成功のコンセプトの1つも「スピード・スピード・スピード」です。

とはいえ,頭で分かっていてもなかなか実行できないのが常です。私は,以下のようにしています。

1 第一歩をとにかく踏み出す。キーボードで1文字でも打てば,その後は意外に文章もすらすらできるものです。0から1にもっていければ,それに較べれば1を大きくするのは難しくありません。

2 実行しないことの言い訳や心理は,「後でいい。」「失敗したらどうしよう。」「失敗したら恥ずかしい。」 。そのような言い訳は排斥して,実行しないことが失敗,他人は見ていないと常に自分に言い聞かせる。

3 多忙な場合もマシーンのように一つ一つのアサインメントを着実にこなしていく。そうすると,無理なようでも意外に早く仕事は片付いていくし,だんだんとハイな状態になって乗ってきて楽しくなります。

仕事を楽しくするには,「仕事が楽しい。」と思えばいいだけという言葉もあります。形から入ってとにかくしていくとうまくいく場合が多いと思います。

債権回収

相手が支払わない場合の債権回収につき,相手方に資力があれば,普通に訴訟や強制執行をして遅延損害金まで回収すればいいのですから,話しは難しくありません。

しかし,本当の債権回収は,相手方に資力が無い場合,資力はあるもののあの手この手で回収を妨げる場合,財産隠しをする場合等が本当の勝負で,弁護士の力量が問われるところです。

はっきりいって,わが国の強制執行制度は債権者側にとって非常に不十分なものですので法的手続に過度に依存することは適切ではありません。また,法的手続は費用や時間がかかります。

債権回収は債務者の気持や意地の問題ではなく(そのような態度を取る人もいますがたいがいは形だけです),実際は「経済」=「お金」の問題に過ぎないのです。

ということは,相手に「お金を払った方がまし。」と思われる必要があるわけです。極端なたとえですが,借金を返さなければ1万円あたり1日収監されるとした大多数の人は何とか返済をするでしょう。

もちろん暴力や非合法な手段は絶対に許されません。しかし,知恵を絞れば,意外に回収はできるものです(全部ではないにせよ)。諦めないことです。

ビジネスとひいき

ビジネスにおいて,常連も一見も全く平等に扱うというのも一つの見識です。

他方,常連や有力顧客は特別扱いする,ひいきするというのも一つの考えです。

どちらが良いかはビジネスモデルの違い等により左右され一概にはいえないと思います。例えば,構造的に,常連といえどもそんなに多くは買わず,広く薄く売らないといけないような業種の場合は前者ということになろうかと思います。

しかし,私自身は,ビジネスの基本は後者,すなわち常連やお得意先を徹底的にひいきすることにあると考えています。私の事務所では,率直に言って,顧問弁護士となっている顧問先企業に対してはこれでもかと徹底的に「ひいき」的な対応をします。もちろん,他のお客さんに対して粗雑な対応をするということではありませんしプロとしてのきちんとした対応はいたしますが。

ビジネスと恋愛は似ている面もあって,誰にでも優しい人は素敵だし広く好かれますが,配偶者や恋人がいるのに,配偶者や恋人とそれ以外の人を全く同じように扱ったとしたら,配偶者や恋人はどんな気持がするでしょうか。